こんにちは！素敵を作るDIYレシピ『Make! Something Sweet♡ スクラップブッキング１０１』チーフエディタ、土田麗子（Lei）です。
スクラップブッキングショップには、かわいい柄のパターンペーパーが山ほど並んでいて嬉しい反面、選ぶのについ長い時間かけて迷ってしまうなんてことも。ベストな１枚を作ろうとすればするほど、悩んでしまうことはありませんか？
そこで、スクラップブッキングの土台に使うペーパー選びは、ごくシンプルに考えるのをおススメします。
１．写真のテーマに合わせたペーパーを選ぶ
例えば今回使用する写真のように「雨の日に傘をさしている写真」ならモチーフが雨粒や傘のパターンペーパーを選びます。「誕生日会の写真」を使うならバースデーがテーマのパターンペーパーといった具合。
一番シンプルで間違いのない選び方ですね。スクラップブッキングには、数々のテーマやシチュエーションに合わせた材料が販売されていますので、ぜひ写真に合うテーマを探してみてください！
２．写真の中に写っている「色」を基準に選ぶ
写真の中には「色」がいくつあって、それがどの色なのかを数えて書き出してみましょう。複数の色があるかと思いますが、その中から同じ色のパターンペーパーを選んで使うと、写真との調和がとれてデザインがまとまりやすくなります。
ちょっとステップアップして同色を使うのではなく、「カラーホイール（色相環）」を参考に写真の中に使われている色を基準として「反対色」や「補色」を選んでも。
３．もちろん、買ったばかりのかわいいペーパーを使いたい♪というのもあり
スクラップブッキングにルールや失敗という言葉はありません。好きなものを自由に作ってよいのです。難しいことは考えず心のままに作るのも、時には必要なことのだと胸に刻んでおきましょう。
センスアップしたいときに、真っ先にトライしてもらいたいのが写真と材料の色合わせです。ちぐはぐな印象や、いまいちあか抜けない印象を与えるデザインは色選びの失敗が原因なことも。鮮やかな「赤」と「青」がメインカラーの写真に、「緑」と「オレンジ」がメインカラーのペーパーを組み合わせてしまうなど色の数が多くなればなるほど、まとまりのない印象を与えるのでご注意を。
ここでは、まずどんな色が写真の中にあるのかを分析していきます。
＜写真の中の色＞
①ナチュラルカラー（緑・グレー・オフホワイト・茶色）
②傘の黄色
③リュックのショッキングピンク
④リュックのブルー
⑤長靴の赤
※木の色、草木の色など自然に多くある色やモノトーンは、ナチュラルカラーとしてまとめてカウントしましょう。
①～⑤の写真の中の色に合わせてピックアップしたのが上の５種類のパターンペーパーです。雨がテーマの雨粒柄ペーパーも選んでいます。
選んだペーパーのどれが一番しっくりくるかは、実際に写真を載せて印象の違いをくらべます。写真と合わせた時にパッと華やいだ印象になるか、暗い印象になるか、やかましすぎる印象になるか…などを見ていきます。
黄色＝面積の多い傘と同調する黄色は、単調でちょっとつまらないイメージ。
雨粒①＝リズミカルな斜めの雨粒と、①～⑤の全部の色をかわいらしくとりいれたペーパーが全体のイメージを盛り上げてくれます。
緑＝同じ斜めの雨粒の柄なのにイメージは一転、もの寂しく感じます。
雨粒②＝縦に重たい雨粒が一直線に落ちるペーパーは、暗い茶色や写真の中にないオレンジがあるために写真を圧迫しています。
ピンク＝写真がくっきりと際立ち長靴のピンクともバランスがとれていますが、ショッキングピンクは好みが分かれるところ。心情に合わせて選びます。
上の５つのペーパーからどの色を選ぶかには、正解はなくてよいと思います。
たった一つの判断基準は、写真を見てどう感じているのか、どんな想いがあふれ出してくるか…だけ。
この写真を撮影した日は雨で足元が悪い中、小学校へ行く娘を送っていました。４才の次女の手を引きながらゆっくり歩く私たちをよそに、足早に小学校へ向かう長女の姿を写真に収めたものです。顔が見えなくなるまで遠くどんどん進んでいく娘を見て、
「早く学校に着いてクラスのみんなと遊びたいのだな。学校が楽しくてよかったな」
という想いがある反面、
「そんなに早く行かないでほしいな。もっと次女も一緒に遊びたがっているし、長女のいない時間は淋しいな」
と、学校での生活を楽しんでいる恵まれた環境にいる長女に安心しつつも、どんどん成長していく姿を見て淋しくもあった感情が思い出されました。
そんなちょっぴり淋しい気持ちを内包したこの写真には、大きな雨粒やショッキングピンクの背景よりはもう少し落ち着いた印象のペーパーを。けれど、緑ペーパーほど沈んではないなくて、黄色ほど単調ではないリズミカルな斜め雨粒のペーパーを選びました。娘の楽しげな気持ちと、見送る側の私たちの気持ちをミックスして表現するのにちょうどよいペーパーでした。
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『Make! Something Sweet♡』統括責任者
ライフログフォトグラファー／スクラップブッキング講師
千葉県在住
1976年生まれ。2003年スクラップブッキング教室を開講、定期クラスのほか各社企業の講師として「日本ホビーショー」や「ISOT」等の展示会にて、16年間で延べ6,000人以上を教える。
数々の雑誌・ウエブサイトなどのメディアにてハウツー記事、作品制作を担当。2004年より5年間にわたりスクラップブッキング専門誌の翻訳・寄稿編集を担当するほか、るるぶ「こどもとあそぼ！首都圏版」では16ページの特集記事の作品と執筆、付録の監修を手掛ける。2017年度「赤ちゃんとママ」では年間を通し、連載記事を執筆。
ライフログフォトレッスン講座を主宰、スクラップブッキングの写真の撮り方の普及に努める。「リトルママ東京」ライターとして2014年よりサークル、幼稚園・保育園取材し記事執筆するほか、雑誌寄稿や翻訳・通訳者として活動中。
2014年 国際スクラップブッキング協会インストラクター賞受賞
2015年 JLL生涯学習協議会 認定講師アワード受賞
スクラップブッキング専門誌 ラブメモ+第二期デザインチーム
2017年～現在 Altenewデザインチーム
